アクションシーンは映画やドラマの見せ場であり、作品の質を大きく左右する重要な要素です。しかし、「殺陣ができる俳優を探したい」「本格的なスタントアクションが必要」といったニーズに対して、どの事務所に相談すればいいのか迷うことも多いのではないでしょうか。
本記事では、アクションに特化した芸能事務所を5つ厳選してご紹介します。若手APや助監督の方にとって、事務所の特色を知ることは業界理解を深める第一歩。ぜひキャスティングの参考にしてください。
※本記事上で記載されている各事務所の所属タレント数はホームページ上にて公表されている数値を参照しております。そのため実際の所属タレント数と異なる場合があります。
一般的な俳優事務所と異なり、アクション特化型事務所の所属俳優は、殺陣・格闘技・スタント・アクロバットなど専門的な訓練を日常的に受けています。現場でのアクション監督とのコミュニケーションもスムーズで、演出意図を即座に理解し形にできる即戦力が揃っています。
アクションに慣れた俳優は、複雑な立ち回りや危険なシーンでもテイク数が少なく済みます。これは撮影日数の短縮に直結し、結果的に制作コストの削減につながります。また、怪我のリスクマネジメントにも長けているため、現場の安全性も高まります。
時代劇の殺陣、現代アクションの格闘、特撮ヒーローのスーツアクターなど、アクションにも様々なジャンルがあります。事務所ごとの得意分野を知ることで、作品のテイストに最適な人材を見つけやすくなります。
設立年度:1970年4月(法人化:1973年11月)
会社名:株式会社ジャパンアクションエンタープライズ
代表者:代表取締役社長 金田 治
住所:東京都新宿区富久町16-8 新宿ユニオンビル102
所属タレント数:140名(京都常駐12名含む)
特徴:日本を代表するアクション俳優養成機関
ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)は、世界的アクションスター千葉真一さんが「世界で通用するアクションスター・スタントマンを育成・輩出する」という理念のもと創設した、日本のアクション俳優養成の草分け的存在です。
真田広之さん、大葉健二さんなど、数多くの名優を輩出してきた実績があり、特に特撮ヒーロードラマや時代劇における殺陣・アクションシーンでは業界のスタンダードとも言える存在です。
トランポリンを多用したスピード感のあるアクション
カメラワークを意識した映画的な演出
身体能力と演技力の両立を重視した総合的な育成
アクションディレクター、アクションコーディネーターが多数所属
従来の剣劇や舞台の殺陣とは一線を画し、映像作品に最適化されたアクションスタイルを確立しました。見得や決まり手よりも、迫力とスピード感を重視するアプローチが特徴です
特撮ヒーロー作品のスーツアクター
時代劇・チャンバラ映画
本格アクション映画
ワイヤーアクション
最適な現場
特撮ヒーロー作品(仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズなど)
本格時代劇
大規模なアクション映画
こんな時に声をかけたい
高難度のスタントシーンが多い作品
殺陣の品質にこだわりたい時代劇
スーツアクターが必要な特撮作品
設立年度:平成18年9月
会社名:株式会社 レッド・エンタテインメント・デリヴァー
代表者:代表取締役 新堀和男
住所:東京都練馬区
所属タレント数:約120名
特徴:舞台制作も手掛ける総合エンターテイメント企業
スーパー戦隊シリーズでスーツアクターとして活躍した新堀和男さんが創設した事務所で、東映特撮作品においてジャパンアクションエンタープライズと並んでスーツアクターの中核を担っています。
「演技とアクションの両立」を理念に掲げ、格闘技のリアリティーを映像に落とし込むことに定評があります。また、アメリカのアクションユニット「サムライ・アクション」と提携しており、国際的な活動も展開しています。
格闘技ベースのリアルなアクション
スーツアクターとしての専門技術
俳優部門と養成部門の連携による実践的な育成
アクション監督・殺陣師が所属
過去にスーパー戦隊シリーズに出演した和田圭市さん、宍戸マサルさん、正岡邦夫さん、岸祐二さんなどのベテラン俳優が、アクション指導を受けに訪れることもあるという、業界内での信頼の厚さが特徴です。
特撮ヒーロー作品(特にスーツアクション)
現代格闘アクション
スタントワーク全般
最適な現場
スーパー戦隊シリーズ、仮面ライダーシリーズ
格闘シーンが多い現代アクション
スタントの安全性と迫力を両立させたい作品
こんな時に声をかけたい
スーツアクターのクオリティにこだわりたい特撮作品
リアルな格闘シーンを描きたい現代劇
アクション監督との連携がスムーズな人材が欲しい時
設立年度:2014年1月
会社名:株式会社関西アクションアクターズ
代表者:代表 吉田 理佳
住所:大阪市北区本庄東1丁目19-10
所属タレント数:14名
特徴:関西を拠点とする総合アクション養成機関
関西エリアを拠点とするアクション俳優養成事務所で、「撮影現場に即戦力として活躍できる優秀な人材を育成」することをモットーにしています。
基礎的な演技指導に加え、常に新しい時代にあったアクションを取り入れることで、時代の変化に対応できる人材育成を行っています。俳優志望者だけでなく、スタントマン志望者にも対応した柔軟なカリキュラムが特徴です。
目標や目的に合わせたカスタマイズ可能な練習メニュー
スクールもあり、俳優志望・スタントマン志望の両方に対応
基礎演技からアクション技術まで総合的に指導
時代劇の殺陣
現代アクション
スタント全般
最適な現場
関西ロケの作品
予算を抑えつつクオリティを確保したい作品
若手アクション俳優を発掘したい企画
こんな時に声をかけたい
関西での撮影でアクション人材が必要な時
新人を起用してフレッシュな作品を作りたい時
地方ロケでの機動力を重視する場合
設立年度:2021年(令和3年)1月
会社名:一般社団法人 JAPAN ACTION GUILD
代表者:代表理事:矢部 大
住所:東京都渋谷区笹塚2-18-3 VORT笹塚6F
特徴:次世代のアクション業界を担う人材育成に特化した養成所
日本のアクション・スタント業界が過渡期を迎える中、「次世代のアクション業界を担える人財を一から育てよう」という理念のもと開校された養成所です。
世界規模では侍や忍者の人気もあり日本のアクション技術が再注目される一方、第一線で活躍するアクション監督や殺陣師の高齢化が課題となっています。JAGはこの課題に正面から取り組み、若手育成に力を入れています
アクションシーン演出からカメラワーク、VFX・特撮まで総合的に学べる
殺陣技斗師による本格的な時代殺陣指導
映像クリエイターとしてのスキルも習得可能
時代劇・殺陣
現代アクション
特撮・VFXアクション
映像制作全般
最適な現場
最新技術を取り入れたアクション作品
Web動画やSNS向けのショートアクションコンテンツ
アクションと映像技術の融合を目指す作品
こんな時に声をかけたい
映像技術にも理解のあるアクション俳優が欲しい時
新しいアクション表現に挑戦したい企画
小規模チームで効率的に撮影したい時
設立:1971年(前身の高瀬道場設立)、1984年(法人化)
会社名:株式会社ガイズエンタティメント
代表者:代表取締役 高瀬 詩子
本拠地:東京都府中市晴見町3-21-25
特徴: 業界屈指の殺陣・アクション専門プロダクション
「痛み」や「息遣い」までが伝わる「リアルな殺陣」を確立したパイオニア的存在です。映画『たそがれ清兵衛』をはじめとする山田洋次監督の時代劇作品群での殺陣指導は、国内外で高く評価されています。
また日芸(日本大学芸術学部)や日活芸術学院など、多くの教育機関で正規のカリキュラムとして殺陣指導を担当してきました。そのため「未経験の俳優を短期間で動けるようにする」といった指導ノウハウにも定評があります。
舞台やライブにおけるアクション演出
殺陣のアクション演出だけでなく、時代背景にマッチした所作まで指導
女性のアクション指導や、美しく見せるための所作指導に強み
本格時代劇・殺陣(映画、ドラマ、舞台)
現代アクション・技斗(警察モノ、喧嘩アクション等)
俳優への技術指導(所作、着付け、武具の扱い)
最適な現場
時代考証やリアリティを重視する映画・ドラマの現場
所作や立ち居振る舞いが重要な時代劇
CGキャラクターに人間味のある動きをつけたいゲームやVR案件
こんな時に声をかけたい
殺陣の所作や美しさにこだわりたい作品
エキストラや若手俳優を含む大人数の乱闘シーンを、安全かつ効率的に撮影
アクション監督や殺陣指導が必要な作品
時代劇・殺陣重視の作品 → ジャパンアクションエンタープライズ、高瀬道場
特撮ヒーロー作品 → ジャパンアクションエンタープライズ、レッド・エンタテインメント・デリヴァー
現代格闘アクション → レッド・エンタテインメント・デリヴァー、ジャパンアクションギルド
関西ロケ中心の作品 → 関西アクションアクターズ、高瀬道場(大阪教室)
作品のジャンルと求めるアクションレベルを明確に
「時代劇で本格的な殺陣」「現代劇で格闘技経験者」など具体的に
撮影スケジュールと予算の共有
アクションシーンの撮影日数、リハーサル(テスト)時間の確保など
安全管理体制の確認
保険、医療スタッフの配置、リスクマネジメント体制
アクション撮影の基礎知識を身につける
アクション監督、殺陣師、スタントコーディネーターの役割分担
リハーサルと本番の流れ
NGが出た際の対応プロトコル
事務所の歴史と系譜を理解する
どの事務所がどんな作品で実績を積んできたか
事務所間の関係性や得意分野の違い
人脈づくりの重要性
アクション業界は人のつながりが強い世界
現場での信頼関係が次の仕事につながる
エンタメ業界特化型マッチングプラットフォーム「CAST+(キャスタス)」を活用すれば、舞台俳優の検索がさらに効率的になります。
実績(舞台出演歴、受賞歴など)
スケジュール(稽古・公演可能日程)
特技(殺陣、アクション、格闘技など)
所属事務所
企画段階の作品でも安心
直接交渉が可能
マッチング後の条件交渉
稽古スケジュールの調整にも活用
「舞台経験豊富」
「新劇・現代劇」
「ミュージカル経験」
「小劇場出身」
「歌唱力あり」
「ダンス可能」
「劇団所属」
時間の削減
従来は複数の事務所に個別連絡が必要でしたが、CAST+なら一括で検索・比較が可能です。
情報の一元管理
キャストのプロフィール、実績、スケジュール、交渉履歴を一箇所で管理できます。
新たな出会いの創出
これまで接点のなかった事務所やキャストとも出会える可能性が広がります。
アクションシーンの成否は、作品全体の評価を左右する重要な要素です。本記事で紹介した5つの事務所は、それぞれ異なる強みと歴史を持っています。
企画の性質、予算、スケジュール、求めるアクションのテイストに応じて、最適な事務所を選ぶことが成功への第一歩です。
事務所の特色を理解することは、業界の深い知識を身につける貴重な機会です。本記事が、素晴らしい作品作りのお役に立てますように。
A1. アクション事務所は殺陣・格闘技・スタントなど専門的な訓練を日常的に行っており、撮影現場で即戦力となる人材が揃っています。一般的な芸能事務所でもアクションができる俳優はいますが、専門性の高さと安全管理のノウハウが大きな違いです。
A2. 各事務所とも予算に応じた提案が可能です。特に若手俳優や新人の起用、撮影規模に応じた柔軟な対応をしている事務所もあります。企画段階で正直に予算を伝えることが、最適な提案を受けるポイントです。
A3. 作品のジャンルとの相性です。時代劇なら殺陣に強い事務所、特撮作品ならスーツアクションの実績が豊富な事務所を選ぶことで、クオリティと効率の両立が図れます。
A4. 問題ありません。むしろ複数の事務所から提案を受けることで、最適なキャスティングが実現できます。ただし、選考が進んだ段階では誠実なコミュニケーションを心がけましょう。
A5. CAST+は効率的な検索とマッチングを支援するプラットフォームですが、最終的な条件交渉や現場での連携は事務所との直接コミュニケーションも重要です。CAST+を入り口として活用し、その後は状況に応じて適切な連絡方法を選びましょう。